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売家・売土地の泉
㈱レック 〒745-0806 山口県周南市桜木2丁目1-1
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贈与税には、毎年課税される暦年課税と、相続時に相続財産をまとめて課税される相続時精算課税制度の2種類があります。
■贈与税の配偶者控除の特例
両親などから不動産を贈与された場合、不動産購入資金を贈与された場合には、贈与税がかかります。
時価よりも著しく低い対価で財産を譲り受けた場合も贈与税の課税対象になります。
贈与税を納めなければならないのは、贈与を受けた人です。
原則的には1年間に贈与を受けた財産の合計額から基礎控除110万円を控除した残額に累進税率を乗じて求める暦年課税方式で課税されます。
不動産そのものを譲り受けた場合には、その不動産の評価額が贈与を受けた額になります。
申告と納税は、贈与を受けた人の住所地を管轄する税務署で、申告の期限は贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までです。
「相続税対策の基本は、生前贈与にあり」
不動産贈与時には、贈与税以外の税金として不動産取得税・登録免許税・譲渡所得税がそれぞれ発生します。
【生前贈与のメリット】
①贈与者の希望に沿って財産を承継できる。
②非課税枠を活用することができる。
贈与税と相続税には、それぞれ別の控除があります。両方の制度の活用が検討できます。
③暦年贈与によって年間110万円以内の基礎控除を適用できる。
④相続時精算課税制度を選択すると、累計2,500万円まで贈与税が課税されない。
⑤贈与対象の不動産から得られる収益がある場合は、早めの贈与が相続税対策になる。
⑥不動産や有価証券など価額に変動のあるものの場合、将来的に値上がりが見込まれるものであれば、事前に贈与することで節税になる。
⑦世代を飛ばして孫に贈与することができる
【生前贈与のデメリット】
①税金が高くなる場合がある
②税務署に認めさせるのが面倒
税務署が生前贈与を認めないことがある
③土地や不動産の贈与にはその他の税金が発生する
贈与税の他に登録免許税、不動産取得税などがかかります。
④複数の贈与を受けて贈与税が増えてしまう
⑥小規模宅地等の特例が利用できなくなる
⑦生前贈与によって、他の相続人の遺留分を侵害すると、受贈者が遺留分権利者から遺留分侵害額を請求されることがある
⑧不動産の値下がりが予想される場合は相続税対策と逆行する
⑨老後資金が不足するケースもある
■暦年課税制度
暦年課税制度とは、1月から12月までの1年間に受けた贈与に対して適用される課税制度のことです。
毎年110万円の贈与分までは贈与税が課税されません(基礎控除)。
地道に110万円の贈与を続けていれば、トータルでかなりの節税が可能になります。
暦年贈与を行う上で注意が必要となるのは、原則、贈与が双方の承諾の上で成立する「契約」であることです。
暦年贈与による相続対策に向いているのは「相続開始までに期間がありそうな人」です。
【暦年贈与のメリット】
①1年に110万円までの贈与であれば贈与税がかからないので、計画的に財産を移転させることができ、相続財産を減らすことができる。
②早めに財産を引き継ぐことで、その財産を有効活用できる。
③基礎控除の110万円は、贈与を受けた人1人に対する1年ごとの金額であるため、贈与の対象となる人数と年数が多いほど、非課税で贈与できる金額が多くなる。
【暦年贈与のデメリット】
①毎年、申告・納税の手続きを行わなければならない。
②相続税と比較して、贈与税は税額が高くなる。
③多額の贈与には向かない。
【連年贈与】
毎年110万円以下の贈与を長期間にわたって繰り返すことで、贈与税が課税されることなくまとまった贈与ができます。
ただし、毎年決まった時期に決まった金額を贈与していると、税務署は「最初から、毎年決まった金額を贈与するつもりだった」とみなします。これを「連年贈与」といいます。
税務署が連年贈与と判断すると、贈与税がかかります。贈与税は最初の履行があった年にまとめて課税されます。
定期的に贈与する意思が契約書で確認できるかどうかが、連年贈与であるかどうかの判断の分かれ目になります。
毎年贈与契約を結び、それに基づいて毎年贈与が行われ、各年の贈与額が110万円以下である場合は、贈与税はかかりません。
せっかく相続税対策のために行った贈与によって、相続税よりも高い税金を支払うことになってしまっては、本末転倒です。
●連年贈与とみなされないために必要なこと
①毎年、贈与契約書を作成(公正証書にしておくと万全)する。
契約は口約束でも有効なのですが、贈与の場合、そのけいやくがあったことをしめす
②振り込み送金を行って出金と入金の事実を明確にしたり、領収書を発行したりして証拠を残しておく。
③贈与のつど金額や時期を変える
④受贈者は自分名義の口座を自身の届出印で作っておき、口座開設の申し込みは受贈者が行う。口座等の管理は受贈者が行う。
⑤あえて毎年110万円を超える贈与をして、贈与税の申告や納税を行う。
【定期贈与】
定期贈与とは、一定期間にわたる一定額の給付を目的とする贈与です。
年間の贈与額が110万円以下であっても贈与税が課税されることがあります。
定期贈与の取り決めを行った年に「定期金に関する権利」の贈与を受けたとして、贈与額の合計額に対して贈与税が課税されます。
これでは節税効果があるどころか、延滞税など余計な税金まで支払うことになってしまいます。
【名義預金】
親が子の名義で貯金している場合や、専業主婦の妻が夫の収入から受け取った金銭を妻の名義で貯金している場合(借名預金と呼ばれることもあります)は、名義に関わらず、夫の財産になってしまうことがあります。
親が、子や孫名義の預金口座を作って入金し、通帳を管理し続けることがありますが、そのような場合は、名義預金として税務署に生前贈与を否認されてしまう可能性は高くなります。
税務署は名義預金を立証するために預金作成時の状況や入金の履歴等を詳細に調べます。
名義預金と認定されると、相続財産として計上しなければならず、相続対策が無駄となり、予定していなかった税金を支払うことになります。
生前贈与であれば、相続税の対象にならなかった分まで相続税の対象になってしまいます。
名義預金については、名義人が相続したとみなされることはなく、遺言がない場合には原則どおり遺産分割の対象になります。
名義預金は贈与と扱われるわけではありませんので、時効という概念はありません。
●名義預金とみなされないために
①贈与契約書を作成する
名義預金と否認されている事例のほとんどは贈与契約書を作成していないケースだそうです。贈与契約書は何よりも有効です。
②贈与した人と贈与を受けた人でお互い財産を把握し、資金移動の痕跡を残す
③口座の通帳、印鑑、キャッシュカードの管理は受贈者が行う
④口座の開設は受贈者自らが行う
ただし、贈与専門の通帳を作るのは厳禁です。
⑤贈与者と受贈者の銀行届出印は違うものを使用する
⑥名義人がいつでも入出金できるようにする
⑦年間110万円を超える贈与を受けた場合には、贈与税の申告、納税を行う
【生前贈与加算】(3年内加算ルール)
相続開始前3年分の贈与は相続税の課税価格に加算され、支払い済みの贈与税は相続税額から控除されます。ただし、相続税の額よりも、支払い済みの贈与税の額が大きい場合は、差額の還付を受けることはできません。
暦年贈与における贈与税の基礎控除で課税対象にならなかった財産も持ち戻しの対象となります。
生前贈与加算の対象となる贈与は、相続人、受遺者、死因贈与の受遺者のみです。これら以外の人の対する贈与には適用されません。嫁や孫に対する生前贈与は、原則として3年内加算の対象にはなりません。
ただし、相続人に該当していても、相続財産を一切取得しない人は、3年以内贈与があったとしても加算対象になりません。
この制度は、相続税を少なくすることだけを目的として、亡くなる直前に駆け込みで生前贈与をすることを防ぐ目的で導入されました。
したがって、相続税を安くするためには、なるべく早く、長期にわたって、生前贈与をした方が節税になるということです。
○生前贈与加算の対象外となるケース
①配偶者控除が適用される場合
⑤相続財産を取得しない人が受けた贈与財産
もともと相続人でない場合や、相続放棄した場合など。
○生前贈与加算の対象にならない人
①相続で財産を取得しない人
ただし、みなし相続財産を取得した人は贈与加算を適用する必要があります。
②相続放棄をした者
③相続人でない孫(代襲相続の孫を除く)
このルールは、原則として相続権のある子供が対象です。
孫は、被相続人からすると相続人には該当しません。
しかし、孫でも3年内加算の対象になることがあります。遺言書で孫に遺産を相続させることが定められている場合や、孫が生命保険の受取人になっている場合です。
④実子の配偶者
⑤相続欠格、廃除者
【特例贈与財産】
一定の要件を満たす特例贈与財産にかかる贈与税に関しては、一般贈与財産とは異なる税率が適用(特例税率は一般税率よりも低く設定されている)されます。
○特例贈与財産の要件
・受贈者の直系尊属(両親や祖父母など)から贈与を受ける財産であること。
・受贈者が財産の贈与を受けた年の1月1日において20歳以上であること。
■相続時精算課税制度
①制度の概要
父母や祖父母からの生前贈与について、受贈者の選択により、従来の贈与税制度に代えて贈与時に贈与財産に対して特別控除額2,500万円を控除(それを超えた分は一律20%の贈与税が課税されます)し、相続時にその贈与財産を相続時にその贈与財産と相続財産を合計した価額をもとに相続税額を計算することにより最終的に精算する制度です。
適用期間は、2003年1月1日~2021年12月31日の間の贈与です。
贈与時点の財産価額が課税対象になります。
なお、支払った贈与税額が相続税額を超える時は、その超えた税額の還付を受けることができます。
特別控除2,500万円の枠は満額になるまで何度でも複数年にわたって利用できます。
この制度は、贈与者(父母、祖父母)と受贈者(子、孫)各々のセットごとに適用できます。
ただし、相続時精算課税制度は「納税の猶予」にすぎませんので、暦年贈与の非課税枠のように「納税の免除」という性質のものではないことに注意が必要です。
②条件
次の条件のすべてを満たす場合は、制度を利用することができます。
・贈与者が贈与をした年の1月1日時点で60歳以上
・受贈者(子や孫)が贈与のあった年の1月1日時点で20歳以上(※)
※2022年4月1日以降の贈与は、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上になります。
・贈与者と受贈者の関係が親子か祖父母と孫
③対象財産
贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はありません。
④税額の計算
⑤申告手続き
この特例を受けるためには、贈与を受けた人が、財産をもらった年の翌年2月1日から3月15日の間に所轄税務署に、相続時精算課税選択届出書を添付して、贈与税の申告を行うことが必要です。
【相続時精算課税のメリット】
①相続財産が相続税の基礎控除以下であるとみこまれる場合は、相続発生時に持ち戻しても相続税がかからない。
②2500万円の控除額があるので、一度に多額の財産の移転が可能です。
③暦年贈与と比較して早く財産を移行できる。
③収益不動産の建物を子に贈与することで、賃料は子が得ることになり、中長期的な相続税対策になる。
④値上がりしそうな財産を贈与すれば節税になる。
贈与財産の評価額は「贈与時点の時価」であるため相続時に値上がりしていればその分の相続税が節税になる。
【相続時精算課税のデメリット】
①この制度を一度選択すると、暦年課税制度(110万円非課税)を選択することができな い。
②年間の贈与額が110万円以下であっても相続時に相続財産に加算され、相続税が課税される。
③110万円以下の贈与でも申告の必要がある。
④小規模宅地等の特例が使えない。
⑤この制度は基本的に節税の効果はなく、納税を将来に引き延ばす効果しかない。
贈与を行う場合、最も適した課税方式を選択し、なるべく税負担を軽減しながら手続きを行うことが大切です。
■住宅資金を贈与する場合
令和5年12月31日までに、親や祖父母といった直系尊属から受けた贈与を資金として住宅を取得・新築・増改築する等した場合に、法律で定められた非課税限度額(最大3000万円)まで贈与額を非課税にするという住宅取得等資金贈与の非課税の特例があります。
この制度は基礎控除と併用できるため、消費税10%の場合は、最大3000万円に110万円を足した3110万円の贈与まで贈与税がかかりません。
家屋だけでなく土地の購入に充てる資金も非課税の対象になります。
配偶者の親や祖父母は認められませんが、夫婦それぞれの直系の父母や祖父母から受ける住宅取得資金贈与の非課税枠を夫婦別で利用することは可能です。ただし、取得した不動産は共有名義にしてください。
非課税限度額は、住宅の種類、契約の締結日、消費税率によって変わります。
あくまでも住宅を新たに取得するための資金援助に限定されるため、既存の住宅ローンの返済のための資金援助はこの特例の対象とはなりません。
贈与税額が0円になっても申告は必要です。
注意しなければならないのは、小規模宅地等の評価減の特例が使えなくなることです。
住宅取得資金の贈与の非課税制度と暦年贈与または相続時精算課税制度を重ねて利用することは可能です。
相続が発生した際に、生前贈与加算(相続発生前3年以内の贈与財産を相続財産として計上しなおす)から切り離すことができます。
住宅資金の贈与を受けた後で、資金提供者が亡くなった場合の相続税を計算する場合には、住宅取得等資金の贈与の非課税制度による非課税額までの贈与金額については相続財産に加算する必要はありません。
贈与税には3年内加算のルールは適用されません。
【贈与税速算表】
⑴20歳以上の人(※)が直系尊属から贈与を受けた財産にかかる税率(特例贈与)
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | ー |
400万円以下 | 15% | 10万円 |
600万円以下 | 20% | 30万円 |
1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
4、500万円以下 | 50% | 415万円 |
4,500万円超 | 55% | 640万円 |
※2022年4月1日の贈与からは、成年年齢の引き下げに伴い、上記の税率の適用となる贈与を受けた人の年齢はその贈与の年の1月1日で18歳以上になります。
【受贈者の要件】
下記の要件をすべて満たしていなければなりません。
・贈与者の子または孫であること(直系卑属であることが条件)
・贈与を受けた年の1月1日において、18歳以上であること
・贈与年の合計所得金額が2,000万円以下であること
ただし、取得する住宅の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は、合計所得金額の制限が「1000万円以下」です。
・配偶者や親族などの一定の関係がある人から住宅用家屋として取得したものではないこと
・贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること
・贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること、又は遅滞なく居住することが見込まれること
・取得しようとしている住宅が、配偶者や親族など近しい一定の人から購入するものではないこと
・贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日の間に、税務署に贈与税の申告をすること
・贈与を受けたときに日本国内に住所があること
・贈与を受けたものが、取得した住宅取得等資金の全額を居住用家屋の新築や購入、増改築に使用すること
【建物の要件】
建物の要件は、新築と中古で異なります。
○新築住宅
①家屋の登記簿上の床面積が50㎡以上240㎡以下であること
②床面積の2分の1以上に相当する部分が、受贈者の居住専用であること
③日本国内にある住宅用の家屋であること
④贈与の翌年3月15日までに居住していること。又は居住することが確実に見込まれていること。
○中古住宅
新築住宅の①、②の要件に加え、
③木造は築後20年以内、マンションなど耐火建築物は築25年以内であること。または新耐震基準に適合するものであること。
○増改築
①日本国内にある住宅用の家屋であること
②工事費用の額が100万円以上であること
③増改築後の家屋の登記簿上の床面積が50㎡以上240㎡以下で、かつ家屋の床面積の2分の1以上が居住用であること
④増改築等後の家屋の床面積が50㎡以上であること
⑤自己が所有し、かつ、居住している家屋に対して行われたもので、一定の工事に該当することについて、「確認済証の写し」、「検査済証の写し」又は「増改築等工事証明書」等の書類により、証明されたものであること
➡住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税 増改築等の要件(国税庁)
【非課税限度額】
非課税限度額は、家屋の種類、契約締結日、消費税率によって異なります。
消費税率の区分 | 契約締結日 | 良質な住宅 | 一般の住宅 |
消費税率が10%の場合 | 2020年4月~2021年3月 | 1,500万円 | 1,000万円 |
2021年4月~12月 | 1,200万円 | 700万円 |
➡直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税(国税庁)
【質の高い住宅】
取得する住宅が、質の高い住宅として認定されると、通常の非課税枠に500万円がプラスされます。
具体的には、高断熱・高気密住宅、地震への安全性を高めた住宅、バリアフリーに配慮した住宅などが該当し、「省エネ等住宅」と言われます。
次のいずれかの基準に適合する住宅が対象です。
①断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級4以上の住宅であること。
②耐震等級2以上もしくは免震建築物の住宅であること。
③高齢者等配慮対策等級3以上の住宅であること。
「質の高い住宅」として非課税措置を適用するには、贈与税の申告書に「住宅性能証明書」等を添付し、これに該当する旨を証明する必要があります。
➡住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置について(国交省)
【住宅資金贈与の申告】
制度を利用するためには、贈与税がゼロであっても確定申告が必要です。
贈与税の申告は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日の間に行います。
贈与税申告書を作成する前に、まずは「住宅取得等資金の非課税のチェックシート」を準備します。
非課税の申告書には複数の書類を添付します。以下の通りです。
○一般的に必要となる書類
①確定申告書(第一表)
②確定申告書(第一表の二)(住宅取得等資金の非課税の計算明細書)
③受贈者の戸籍謄本
贈与者と受贈者の関係を証明。受贈者の氏名、生年月日の証明。
④住民票の写し
⑤受贈者の源泉徴収票又は所得税の確定申告書の控え
⑥登記事項証明書の写し
⑦売買契約書・工事請負契約書の写し
契約年月日等を確認します
⑧マイナンバーカードまたは通知書
⑨認印
○省エネ等住宅に該当する場合(いずれか1つ)
①住宅性能証明書
②建設住宅性能評価書の写し
③長期優良住宅建築等計画の認定通知書等の写し及び住宅用家屋証明書又は認定長期優良住宅建築証明書
④低酸素建築物新築等計画認定通知書の写し&住宅用家屋証明書又は認定低酸素住宅建築証明書(写し可)
⑤耐震基準適合証明書
⑥既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類
【住宅資金贈与の注意点】
①贈与を受けるタイミングは、住宅を取得する前でなくてはいけません。
②贈与を受けた資金の全額を贈与を、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅の取得や一定のリフォームなどに充て、かつ、その住宅に居住することが必要です。
3月15日以後でも、遅滞なく居住の用に供する見込みがある場合には贈与税非課税の要件を満たすことになりますが、贈与を受けた年の翌年12月31日が居住開始の最終期限になります。
③適用を受けるための申告書を提出する。(贈与税がゼロとなる場合でも)
④住宅ローンの返済のための住宅取得等資金の贈与は特例が適用されません。
⑤土地の贈与は適用の対象外になります。
【住宅資金贈与の失敗例】
①土地だけ取得した。
②住宅の完成が遅れ、申告期限より後に引き渡しとなった。
③住宅購入の後に、贈与を受けた。
④受贈者の合計所得金額が2000万円を超えてしまった
正式には「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」といいます。
配偶者控除(おしどり贈与)とは配偶者に対し、
①居住用の不動産
②居住用の不動産を買うための資金
いずれかを贈与した場合に非課税枠が適用される制度です。
婚姻期間が20年以上の夫婦が使うことができます。
その年の基礎控除110万円に加えて、最大2,000万円まで非課税で贈与することができます。
相続税には相続開始前3年分の贈与は相続税の課税課価格に加算されるという規定(生前贈与加算)がありますが、この配偶者控除は対象外となり、課税されません。
建物の引き渡しは原則翌年3月までです。
贈与を受けた資金の全額を、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅の取得や一定のリフォームなどに充て、かつ、その住宅に居住することが必要です。
自宅を生前贈与することで、配偶者は頼多くの相続財産を得ることができるようになりました。
【特例の要件】
①夫婦の婚姻期間が20年以上(入籍していない期間は対象外になります)過ぎたのちに贈与が行われたこと。
②過去に配偶者控除を受けていないこと(同一夫婦間で1度だけ)
③居住用の土地、借地権、家屋等の贈与を受け、翌年3月15日までに、
a)居住用不動産にあっては、受贈者が居住し、かつその後も引き続き居住する見込みである場合。
b)贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けたものが現実に住み、その後も引き続き住む見込みである場合。
④適用を受けるためには贈与税の申告が必要
仮に贈与税の配偶者控除を使った結果、贈与税がかからなくても申告は必要です。
【メリット】
①相続税で相続開始前3年以内の生前贈与加算の適用がない。
②贈与税も相続税も課税されずに、居住用不動産の移転が可能。
③売却した時の譲渡所得税対策になる。
居住用不動産を売却した場合は3000万円までが非課税になります。夫婦で共有していれば倍額の6000万円が控除されます。
④新しく不動産を購入するにあたり、金銭として2000万円を贈与する場合は、金銭なので不動産取得税や登録免許税、司法書士費用もかかりません。
【デメリット】
相続税には、「配偶者の税額軽減」という制度があり、配偶者が取得した遺産額から、配偶者の法定相続分か1億6000万円のいずれか大きい方の金額を差し引いて、残った金額のみ相続税がかかる決まりになっています。
①1億6000万円までは課税されないので、ほとんどの家庭では配偶者は全く課税されない。
②結果的に相続税額を増やすことになることもある。
③不動産取得税と登録免許税がかかる。(これらの税金は相続によって取得する場合は優遇されている)
④小規模宅地等の特例が使えなくなる。
⑤贈与を受けた配偶者が先に死亡した場合、贈与をした配偶者が、贈与した居住用不動産を相続すると、相続税の負担が発生する。
⑥一時相続の相続税は抑えられるが次の配偶者の相続である二次相続の相続税が高くなる。
⑦内縁関係の夫婦には、贈与税の配偶者控除を適用できない。
みなし贈与とは、本来の贈与ではないものの、課税の公平負担の見地から、贈与とみなされる行為のことです。
贈与税の対象となっているとは気づかず、贈与税の納付を忘れてしまい、税金の滞納に陥るケースがあります。
みなし贈与に贈与税が課税された場合、通常の倍以上の税金が発生するということもありますので、注意が必要です。
【みなし贈与とされるケース】
①時価よりも著しく安い金額で不動産を購入したとき
適正時価との差額について贈与税が発生します。
さらに、譲渡した者には「みなし譲渡所得税」という税金が課税されます。
「著しく低い価額の対価」に該当するかどうかについては、個々の具体的事案につき社会通念に従い、課税の趣旨・目的に沿って合理的に判定すべきと考えられています。
②対価を支払わずに不動産の名義を変更したとき
土地や建物の名義を子供の名義に変更したような場合で、対価の支払いがなく行われていないときは贈与とみなされます。
③不動産購入のための借金を免除されたとき
不動産購入の借金を免除してもらった場合、債務免除に該当し、本来返済すべき価額分について債務者が利益を得ることになり、債務免除者から贈与されたものとみなされ、贈与税が課されます。
債務免除等による利益を受けた場合であっても、債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、債務者の扶養義務者から債務の免除等を受けた場合は、みなし贈与に該当しません。
④親が子供の借金を代わりに払ってあげたとき(債務免除益)
⑤共有名義不動産の持ち分割合と資金の拠出割合が違うとき
購入資金の拠出割合と持ち分割合に差がある場合は、その差額について贈与税が課税される場合があります。
⑥適正な対価を負担せずに取得した信託受益権
信託とは、信託法に基づいて、特定の委託者が一定の財産を受託者に信託し、受託者は委託者の信託目的に沿って運用を行い、その受益を受益者にもたらす仕組みです。
受益者が委託者と異なる第三者である場合には、委託者から受益者に対し間接的に贈与があったものとみなして課税されます。
⑦受取人が保険料を負担せずに取得した保険金
親が子供を受取人とする保険に加入して掛け金を払い、満期時に保険金が子供に支払われるケースです。
保険料の一部を負担していた場合であっても、負担していなかった部分に対応する保険金は、贈与によって取得したものとみなされます。
ちなみに生命保険の満期ではなく契約人の死亡による保険金の場合は、贈与税はかからず相続税の対象になります。
⑧離婚による財産分与
離婚による財産分与は、社会通念上相当の範囲内であれば贈与税の対象にはなりません。
財産分与は夫婦それぞれが持つべき財産の清算であり、新たに財産を取得したわけではないからです。
財産分与の対象になるのは、夫婦が婚姻期間中にお互いの協力で築き上げた財産です。
独身時代に築いた財産は個人の特有財産ですから、財産分与の対象になりません。
結婚している間に蓄えたものなら名義に関わらず財産分与の対象になります。専業主婦であっても半分は妻が受け取る権利があります。
ただし、次に当てはまるケースは、贈与税がかかります。
・財産分与の額が多すぎる場合
分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮してもなお多すぎる場合
・離婚自体が相続税もしくは贈与税の脱税を目的とする場合
この場合は、離婚によってもらった財産すべてに贈与税がかかります。
○債務免除
債務免除とは、無償あるいは非常に低い対価で債務を免除してもらったり、誰かに肩代わりをしてもらったりした場合のことをいいます。(民法519条:債権者が債務者に対し債務を免除する意思を表示したときはその債権は消滅する)
税務上、その利益を受けた人が、債務免除が行われたときにその債務免除にかかる債務の金額を、債務免除をした人から贈与により取得したものとみなされます。
【離婚時の財産分与】
財産分与とは、夫婦が婚姻中に築いた財産を、離婚の際に分配する制度です。
婚姻中に夫婦で築いた財産は、原則的に夫婦の共同財産です。
婚姻中に増えた財産でも親からの相続又は贈与で取得した財産は、財産分与の対象外になります。
財産分与の時効は、離婚後2年です。
離婚時の財産分与には、大きく分けて次の3種類があります。
・清算的財産分与
・扶養的財産分与
・慰謝料的財産分与
①清算的財産分与
財産分与の多くはこの「清算的財産分与」にあたります。
清算滝財産分与の対象となる財産が、共有財産です。
分け方は2等分が原則とされていて、たとえ妻が専業主婦=家庭の収入減が夫の給与のみの場合であっても、その給与は妻が家庭内の仕事をこなすことで夫を支えた結果得られたものと考えるため、基本的には妻にも全財産の半分を受け取る権利があるとします。
夫婦のうち現実に財産を持っている側に対しては、他方から財産分与の請求ができるとされています。
夫や妻が結婚前から持っていた財産は「特有財産」と呼ばれ、清算的財産には含まれません。
清算の対象には、動産、不動産、金銭、預金債権、保険、有価証券等が含まれます。
清算的財産分与では、離婚原因を作った側からも財産分与の請求が認められていますので、注意が必要です。
家や土地・自動車・有価証券・貴金属などの財産分与を行う場合は、売却をせずにどちらかが譲り受けるケースも少なくありません。
○財産分与で対象になる財産
・不動産
夫婦が住んでいた家を売却する場合、売却価額がローン残債を下回ったときは、差額を預貯金などで返済しなければ、借入をした金融機関の抵当権が抹消されず、売却ができません。
不動産を共有のままにしておくと、数年たって家を売却しようとしても、「共有者の同意が必要」といわれて売却ができなかったり、相手が再婚した後、死亡した場合など、相続が発生して事がややこしくなることもあります。
住宅ローンが残っている場合の名義変更は、金融機関の承諾が必要です。
平等に分けにくい土地や建物について財産分与を行った場合、贈与税の対象ではなく、所得税の課税対象になることがあります。
・現金、預貯金
夫婦が婚姻期間中にためていた現金、預貯金(名義はどちらでもよい)は、すべて財産分与の対象になります。子供の名義であっても同様です。
・有価証券(株式や国債など)
有価証券は常に評価額が変動するので、離婚が成立した時の評価額を目安とすることが一般的です。
・自動車や家電
・家財道具
・高額な骨董品、美術品など
・退職金
夫婦の一方又は双方の退職金が、遠くない将来に確実に支払われることが見込まれる場合は、財産分与の対象になります。
・保険
保険には、生命保険と損害保険がありますが、一般的には貯蓄性を供える生命保険が財産分与の対象になります。
夫や妻が受取人になっている生命保険の契約を維持する場合は、受取人を子供などに変更します。
学資保険は貯蓄性のある生命保険の一種ですから、原則的に財産分与の対象になります。
・会員権
・年金
・負債
プラスの財産に限らず、住宅や自動車のローン、子供の教育ローン、生活費のために借りた借金といったマイナスの財産も、財産分与の対象です。
○課税の対象になる財産
②扶養的財産分与
離婚後一定期間金銭の支払いを行う形の財産分与です。
離婚することで夫婦のどちらかの生活が苦しくなる場合は、「扶養的財産分与」という形で、生活能力のある側が一定の生活水準を維持できるようになるまでフォローします。
離婚により経済的に弱い立場に置かれる配偶者が、経済的に自立できるまでの期間、生活を補助するという趣旨で支給されるのが一般的です。
扶養的財産分与の期間の相場は半年~3年程度で、財産分与を受ける側はこの期間に経済的な自立を目指します。
③慰謝料的財産分与
例えば浮気やDVなど、どちらかに明らかな非があって離婚することになった場合、精神的な苦痛を償うための慰謝料の意味合いを込めて財産分与を求めることがあります。
【離婚での財産分与における税金】
現金の財産分与では、税金はかかりません。財産分与で課税対象になる財産とは、不動産、有価証券、ゴルフ会員権、絵画・骨董品などです。
①贈与税
離婚での財産分与では、原則として、贈与税は課税されません。
これは、相手から贈与を受けたわけではなく、夫婦の財産関係の清算や、財産分与義務に基づいた給付と考えられているためです。
しかし、財産をいくら分与されても贈与税が課税されないわけではなく、「社会通念上相当な範囲」を超える場合には、超えた範囲は贈与税の課税対象になります。
不動産の場合、「財産分与の時の不動産の時価」が「不動産取得時の時価」よりも大きければ、その差額に対して分与をした側に譲渡所得税がかかります。
ただし、住んでいる家を売却した場合、最高で3,000万円までは特別控除で税金はかからないので、課税対象にはなりません。
ただし、この特別控除は夫婦間での不動産譲渡には適用されないので、節税のためには離婚後に譲渡する必要があります。
③登録免許税
④固定資産税
⑤不動産取得税
離婚での不動産取得税は、「夫婦の財産の清算」として分配された分に関しては課税されません。これは贈与税の時と同じ理屈で、実態としての財産移転ではない、との考え方からです。
【親族間売買で注意すべきみなし贈与】
親子や兄弟といった親族間で不動産の名義変更を仕様と考えた場合には、どういった形で名義変更をするかを検討すべきです。
親族間売買とは親と子など親族の間で不動産を売買することです。
当事者が贈与の意思がないにもかかわらず贈与税がかかってしまうものがあります。それが「みなし贈与」と呼ばれるものです。
みなし贈与とは、読んで字のごとく、「贈与と見なす」ことです。
時価と売買価額の差額分を「みなし贈与」の扱いにすることで、親族間売買の方法を相続税や贈与税の税金逃れに使われないようにしています。
親族間売買の場合、取引価額は売り主と買主で自由に決めることができるため、本来は贈与を考えていたにもかかわらず、相場より安い価額で売買することが考えられます。
どのような場合に贈与税が発生するのか、具体的に見ていきます。
●格安で売却した場合
時価と売買価額の差額を贈与と見なされます。
親族間の売買ではみなし贈与にならないような価額設定にすることが重要です。
●金銭のやりとりがなく不動産の名義変更が行われた場合
名義の変更登記が行われると、法務局から税務署に連絡が入り、税務署は納税があったかを確認します。
■特例贈与財産
特例贈与財産とは、2015年以降に、贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上の直系卑属へ贈与された財産のことをいいます。
特例贈与財産には、特例税率が適用されます。
特例税率は、一般税率よりも低く設定されています。
特例贈与税率及び控除額
贈与税率 | 税控除額 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | ー |
400万円以下 | 15% | 10万円 |
600万円以下 | 20% | 30万円 |
1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
4,500万円超 | 55% | 640万円 |
特例税率の適用を受ける場合は、贈与税の申告書とともに戸籍謄本等を添付して、受贈者の氏名、生年月日及びその人が贈与者の直系卑属であることを証明する書類を提出する必要があります。
なお、親の戸籍謄本は、委任状がなくても交付を受けることができます。